【レビュー】テイルズ オブ アライズ:派手で爽快感のあるバトルにハマる!

1995年にテイルズオブファンタジアが発売され、その後数々の名作を生み出したテイルズオブシリーズの最新作「テイルズオブアライズ」が2021年9月9日に発売した。
シリーズ全てをプレイしている僕はアライズが楽しみすぎて会社から有給休暇を4日取得し、大量のお菓子を買い込み、一日18時間ほどプレイし続けてやり込み、無事にトロフィーコンプリートまでしゃぶりつくしたレビューだ。

※ 今回のレビューはストーリーのネタバレを極力避けて書くように心がけた。

ジャンル心の黎明を告げるRPG
プラットフォームPlayStation4、PlayStation5、XboxOne、XboxSeriesX/S、Steam
発売日2021年9月9日
発売元バンダイナムコエンターテインメント
開発元バンダイナムコスタジオ
公式サイトリンク

総評

今作は全体的にテンポよく遊べるように作られてて、特に戦闘がサクサクと進められるところがよかった。ストーリーやキャラクターが魅力的でしっかりと描かれているので感情移入しやすく寝食を忘れて没頭できる作品になっていた。

ストーリー
 (4.5)
キャラクター
 (5)
戦闘システム
 (4)
育成システム
 (4)
やりこみ
 (3)

良かったところ
・続きの気になるストーリーとしっかりと背景が描かれ深掘りされるキャラクター達
・遊びやすくテンポの良い戦闘システム

気になったところ
・簡単に終わる育成システム
・やりこみ要素が少ない
・テンポは良いが、戦闘後キャラ達の掛け合いは欲しかった

王道のボーイミーツガールと圧制にあらがう反逆の物語

物語の流れ

自然豊かな星「ダナ」が魔法と科学の星「レナ」から侵略を受け、300年間ものあいだダナ人は奴隷となって労働を強いられている中、ダナに住む主人公「アルフェン」がレナ人のヒロイン「シオン」と出会うところから物語が始まる。

ダナは5つの国に区切られていてレナ人の「領将(スルド)」が治めているが、アルフェンはダナ人解放のために、シオンはとある目的のために領将を倒すという利害が一致したために旅に出るという話が展開される。

領将を倒し次の国へ進んでまた領将を倒す…という流れなのかと思いながらプレイをしていたが、次の国へ行くたびに予想外の方向に話が進むので最後まで飽きることなく物語に夢中になれた。

目の離せないアルフェンとシオンの関係

触れる者に激痛をもたらすシオンは自分の体質のせいで触れた人間に恐怖の目を向けられ続けていたために人を遠ざけるようになった。そんな中、痛みを感じないアルフェンと出会い、初めて人と触れることに可能性を感じアルフェントと行動をともにするボーイミーツガールな物語になっている。

少しずつ絆を深めていく二人が最後にはどのような関係になるのか?二人は触れ合えるようになるのか?
物語を進めれば進めるほど二人の関係がどんどん変化していくのでハラハラドキドキできる。
僕は特にこういった恋愛的な話が好きなので、続きが気になり会社を休んで一日18時間以上はプレイしクリアまで一気にやってしまった。

そのほかムードメーカーのロウとリンウェル、世間知らずのテュオハリムと世話焼きのキサラなど個性がしっかりと作中で描かれているため、どのキャラも好きになれるしパーティーメンバーが皆仲が良く見ていてほっこりできる。

きろく
きろく

お姉さんでお母さんなキャラ「キサラ」が一番のお気に入り!

敵と何度も戦いたくなる派手で爽快感のあるバトル

テイルズオブのバトルといえば術技を組み合わせコンボを叩き込んで敵を倒すのが醍醐味だと思うが、今作は今まで以上にアクション要素が強く何度でも敵と戦いたくなるバトルとなっている。

従来と少し違う術技設定

術技は従来のテイルズオブシリーズだと十字キー+✕ボタンに設定して発動するものが多く、空中コンボが出来るシリーズだと術技に空中発動可能かどうかを把握してコンボをする必要があった。
(空中発動が出来ない術技を空中で発動しようとしても技が出ないのでコンボミスをするなんてことはよくあった)

今作は地上で発動する技、空中で発動する技が明確に分かれていて術技の設定も地上と空中で枠が分けられているので難しいことを考えることなくコンボを組み立てられて遊びやすい作りになっていた。

カウンターレイドで蝶のように舞い蜂のように刺す

今作には「ガード」というものが基本的に無く「回避」することで敵の攻撃に対応する必要がある。
タイミングよく敵の攻撃を回避することでスローの演出が入りダメージを受けずに済むが、「カウンターレイド」というスキルを覚えるとスローの演出中に攻撃をすることで反撃することができる。
カウンターレイド中は無敵時間があるのでボスの連続攻撃の大技なんかも回避→カウンターレイド→無敵時間中に回避→カウンターレイド→無敵時間中に回避…とダメージを受けずに何度もカウンターレイドで反撃することでノーダメージでやり過ごすこともできる。

きろく
きろく

ボスの大技を無傷でやり過ごした時の”してやったり感”がタマラナイ!

敵に対応したブーストアタックでチャンスを掴め

今作の特徴の一つ「ブーストアタック」
ブーストゲージが溜まっていればいつでも発動できるのでコンボに組み込んだりできるが、各キャラごとに特徴があるので敵によって使い分けることで戦闘を有利に運ぶことが出来る。
例えば、シオンのブーストアタックは空を飛ぶ敵を撃ち落としてしばらく飛べなくするというもの。空中にいる敵は攻撃が当てにくいためシオンのブーストアタックで撃ち落としてからコンボをすることでスムーズに敵を撃破できる。キサラは敵の突進攻撃を防ぎ、ロウは敵のガードを打ち崩すなど様々な効果がある。

このブーストアタックをうまく使ってどんどん敵を倒していく爽快感や、ボス戦であれば敵の行動を阻害したりダウンさせたりして有利な状況を作り、一気に大ダメージを与えるのがすごく面白い。

ド派手な演出で爽快感のあるブーストストライク

ある程度敵のHPを減らした状態で10HIT以上のコンボをしていると大ダメージを与えるブーストストライクが発動できる。操作キャラと戦闘に参加しているメンバーの一人が強力して放つ大技で、演出がかなり派手で見応えがある。
しかもブーストストライクで戦闘を終了させるとスロー演出が入り非常にカッコイイ。

前述したブーストアタックを活用しつつコンボを続けていき、トドメでブーストストライクをお見舞いし戦闘を終了させたときの爽快感と満足感がアライズの最大の醍醐味と言ってもいいくらい病みつきになったシステム。

きろく
きろく

演出は数パターンあって、歴代の技を使ってくれたりして楽しい!

キャラの個性を活かしたそれぞれの戦い方

キャラには使用術技やブーストアタック以外にもそれぞれに”特性”というものがある。
主人公のアルフェンであれば術技を発動した時にボタンを押し続けていたら強力な炎技を発動する「フラムエッジ」やリンウェルの詠唱した術をストックする「マジックチャージ」など、特性を活かすことで各キャラクターたちの操作感はかなり変わったものになる。

この特性が個人的にかなりハマった部分で、立ち回りがキャラごとにかなり変わるので飽きがきにくく最後まで楽しく戦闘をすることが出来た。むしろ楽しすぎて何度も何度も雑魚戦を繰り返してしまうほどに。

ボス戦は従来とは少し違ったプレイ感

ボス戦は従来とは違ってよりアクションゲーム感が強くなったものになっている。
今までであればコンボを叩き込み、敵が仰け反りから復帰したら回避や防御などをしてまたコンボをするという流れだと思うが、アライズのボス戦はこの”コンボ”を叩き込む部分がかなり変わっている。

ボスがほとんど仰け反らない

常に動いたり攻撃モーションになっていたりするのでスキをみて攻撃を当て、敵の攻撃を回避してからまたスキを見て攻撃を当てるという感じ。
テキストだと伝わりにくいが、例えるならばモンハンだ。
モンハンも敵はあまり仰け反らないので、スキを見て攻撃を当てて、敵の突進やしっぽ攻撃のモーションに合わせて回避したりすると思うが、まさにそんな感じだ。

個人的にはこの部分がテイルズらしくないので不満に思った部分で、こういった仕組みの場合は華麗にコンボを決めるのではなく強力な技をひたすら繰り返しゴリ押して当てるのが強い状態になってしまう。つまりコンボがいらないのである。
僕の場合は最初からトロコンするまで難易度ハードでプレイしたが、ボス戦はアルフェンの「フラムエッジ」を当てるだけのゲームになりがちだった。(魔神剣→魔王炎撃破のように技を単発で当てるのが最効率だった)

きろく
きろく

後半はフラムエッジを当てるだけで敵が溶けていく…

とは言え、つまらないわけじゃない。
カウンターレイドで華麗に敵の攻撃を避けつつ、ブーストアタックで行動を阻害し、フラムエッジなどの大技を叩き込みブーストストライクでトドメを刺す。
戦闘システムを上手く使って攻略出来た時はニヤリとしてしまうほど楽しい。
従来のボスにコンボを叩き込むのが大好きだからこそ今回の仕様に不満を持ってしまったが、ゲーム的にはめちゃくちゃおもしろい戦闘システムなのでアクションが好きな人であれば必ず満足出来るものだと思う。

キャラの育成要素と個性を活かす装備のカスタマイズ

称号とスキルパネル

ストーリーの進行やサブイベントで「称号」を獲得ができ、その称号にスキルが付属されていてキャラの特徴を伸ばしたり新しい技やアクションを習得できる。
戦闘での使い勝手が変わってくるのでどのスキルを習得するか悩ましいが基本的には自身の戦い方に合わせて習得すれば良さそうで、例えば回避が苦手であれば「回避の猶予時間が伸びる」だとか、フラムエッジを多用するのであれば「フラムエッジの威力が上がる」など。

ただ1点、個人的に残念なのは結局全てのスキルが習得できるところ。
スキルの取捨選択をさせる(Aのスキルを習得するとBが習得できない)ようなものであればプレイする度に違った感覚で遊ぶことができたのになぁとは思った。
まぁ、これは凄く個人的な好みなので全てが習得できることがダメというわけじゃないが…

アクセサリのカスタマイズ

装備品の一つに「アクセサリ」がある。
「毒状態にならない」や「物理攻撃のダメージを20%軽減」など様々な効果があり、さらに追加でいろいろな効果を付与できる。
例えば「火属性攻撃威力が15%上昇」を4つ付けたものを作ることができるので、火属性の術を使うキャラに付けることで火力を大幅に上げられる。
しかも従来の装備作成より簡単に作ることができるのが良いところで、サクッと理想の効果を付けたアクセサリを色々と作成して戦闘で試せるのが良い。

きろく
きろく

術の詠唱時間が短くなるミスティシンボルに更に詠唱時間が短くなる効果をつけられるし、作るのも簡単!

最後に

戦闘システムについてのレビューが大半をしめてしまったが、BGMは耳に残る素晴らしいものがあるし、キャラ達が「○○の方に行ってみないか?」のようにフィールドの探索を細かく促してくれたり、一度訪れた街やダンジョンに一瞬で行けるファストトラベルがしっかりしていたり随所に遊びやすい作りになっているのも好評価なところ。

また進行具合によって変化するメニュー画面の背景がおしゃれで、メニューを開いた時ですらアライズの世界に浸れてテンションが上がる。

どこを切り取っても妥協せず作り込んでいて、記憶を消してもう一度初見プレイで楽しみたいと思える作品だった。

トロフィーコンプリートまで約100時間ほどプレイしての感想は、やりこみ要素が少なく早々にやることが無くなるということ。テイルズといえばさらなる育成のやりこみや周回プレイでの機能拡張などのお楽しみ要素だと思うが、そのあたりがほぼ無いように思えた。なんだかなぁ…

さらなる育成について

スキルは簡単に全部習得出来てしまうし理想のアクセサリの作成が簡単に終わってしまう。(これは良いことでもあるが…)
クリア後にもっととんでもないスキルや効果を持ったアクセサリなんかが登場して、より戦闘を楽しめたり引継ぎして周回プレイを楽しめるようにしてほしかった。
リメイク版デスティニーのなりきり装備のようなものがあっても良かった。四方八方からシオンでレーザー撃ちまくりたかったよ…

周回プレイでの機能拡張

テイルズは周回時にアイテム引き継ぎだったり機能拡張をして2周目を遊べることが多いけど、今作はそれがたいして面白くなかった。もっとぶっ飛んだ機能拡張をしてほしかった。
例えばデスティニー2のクレイジーコメット追加攻撃。ラスボスですら一瞬で倒すような威力の攻撃が追加される。
例えばデスティニー2の3周目から使える秘奥義。仮面を付けたジューダスというキャラの仮面が取れる演出が入る秘奥義で、シリーズを遊んできたプレイヤーはこの仮面が取れる演出には驚かされたと思う。
こういったお遊び・お楽しみ要素がアライズにはなかった。
もしかしたらエターニアのブルーアースのような攻略本にも乗っていない隠し秘奥義なんかがまだ発見されてない可能性はあるけどね。

攻略本を熟読してみて…

僕はクリア後に凄いデータを作るというやりこみも好きだが、最近ではシステムを理解して1周目から初見プレイじゃ出来ないような攻略の方法を探すのにもハマっている。攻略本を熟読し、ダメージや状態異常の発生についての計算式に味方と敵のステータスを当てはめ、効率よく・楽しく・面白くボスを撃破するなどの攻略法だ。
アライズの攻略本を購入し、そういった計算式を見て同じように自分のデータを見ながら敵味方のステータスを当てはめて計算したけど、1周目からやれることは初見でもシステムを理解していても変わらないように思えた。

つまり工夫の余地があまりない。

ボス戦で「のけぞらない」と書いているが、引継ぎプレイで強力な装備を使えばある程度ひるませ続けてボスを圧倒することはできる。ただ、それは「のけぞり」ではなく結局コンボを叩き込んでる感はあまりないし、1周目で同じようなことができるかと言われたら難しそうだった。

実際にプレイして検証したわけではなく、攻略本を見て手元で計算しただけの結論…机上の空論になるかもしれないので、いつかは実際にプレイして確かめてみたいけどモチベーションが上がらない。面白い攻略ができる!という可能性を見いだせていないから。
いつか検証してみて面白い攻略ができたらバンナム本社の方角に向かって土下座して謝罪することにしよう。

2 COMMENTS

しまちゃん

確かに今作アライズはやり込みに欠ける部分がありますね
クリア後に2週目は攻略本見ながら〜と思っていたものの結局攻略本無しでトロコンまで行けてしまう始末…
やり込み要素無いということはその分アライズから離れて行く時間も短くなる…
周回プレイがあるゲームでその要素が無いのは結構なマイナス点ではありますね。
ただ駄作か、と言われればそれは全く違うくて、僕の中で総評は間違いなく神ゲーでした。

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アバター画像 きろく

コメントありがとうございます!
やはりやりこみ部分が足りないですよね。せっかくキャラクターも世界観も戦闘システムも全て良い出来なのに
それに触れ続けるコンテンツが無いというのはすごく勿体ないと思いました。
ただ、僕もアライズは神ゲーだと思ってます。
なので記憶を消してまた最初から遊びたいです笑

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