【レビュー】ペルソナ5タクティカ:パズル的戦略で攻める一風変わった戦闘システムが面白いシミュレーションRPG

UIやBGMがオシャレでストーリーやキャラも良い名作RPG「ペルソナ」シリーズ
その最新作「ペルソナ5」の外伝的な本作はシミュレーションRPGということでコマンドRPGとは違う戦略性の問われるゲームではるが、実際にプレイしてみると自分の知っているシミュレーションRPGとは一風変わった、そしてペルソナらしいシステムが楽しい作品だった。

ジャンルシミュレーションRPG
プラットフォームXbox Game Pass / Xbox Series X|S / Xbox One / Windows / PlayStation5 / PlayStation 4 / Nintendo Switch / Steam
発売日2023年11月17日
発売・開発元アトラス、P STUDIO
公式サイトhttps://p5t.jp

総評

ストーリーはかなりわかりやすく、そしてスッキリとしたものになっていて違和感なく見ることができる。
一方、戦闘は考えることが多いがコツが分かれば敵を一掃する爽快感やパズル的戦略が決まったときの気持ちよさが味わえて面白い。
ただ、ペルソナ自体の育成や合体が要素として弱くなっているので、ペルソナ合体の楽しみは本編と比べてかなり控えめ。

ストーリー
 (3.5)
キャラクター
 (4)
戦闘システム
 (3.5)
育成システム
 (3.5)
やりこみ
 (3)

良かったところ
・パズル風に戦略を組み立てられる戦略性が楽しい
・1つの戦闘ステージがサクサクと進んでテンポが良い
・わかりやすくスッキリと見れるキャラとストーリー

気になったところ
・ペルソナ合体はあるがサブ要素な感じ(難易度Normalの場合)
・敵の種類が少なく、後半ちょっとマンネリ気味

さっぱりスッキリとしたストーリー

違和感なくペルソナ5のキャラたちに馴染む今作の登場人物「春日部統志郎」と「エル」

ペルソナ5のキャラクター達と一緒にタクティカのキャラクターである「春日部統志郎」と「エル」が行動をするのだが、ふたりとも主人公達に負けず劣らずキャラがしっかりとしている。自分の目的や意志を持っているため今回のストーリーが非常にわかりやすく描かれ、さらに合間合間で竜司や裕介たちとボケたりツッコんだりと違和感なくペルソナ5のメンバーとの和気あいあいが見られほっこりとするのが楽しい。

きろく
きろく

統志郎が大人だからどうなるかと思ったけど、情けない部分やボケている部分があって面白かった!

春日部統志郎を中心としたストーリーが展開される

パレスという心の異世界を冒険していた主人公達だが、今回はひょんなことからキングダムという異世界へ迷い込む。
そこで出会うエルはキングダムという世界の住人という感じで、統志郎は主人公たちと同じようにキングダムに迷い込んだ一般人なのでエルを中心に物語が展開すると思いきや…キングダムはどうやら統志郎と関係があるらしく統志郎を中心にストーリーが展開していく。
キングダムとはなんなのか、エルとは誰なのか、統志郎との関係は…という感じで少しずつ明らかになる。

お話自体は難しいところが一切なくペルソナ5本編のような大きな話にはあまり展開せず、あくまでも統志郎を中心としたコンパクトな展開ですっと入り込んで見やすいものになっている。

戦略性と爽快感のある一風変わったシミュレーションRPG

普通のシミュレーションRPGとは一風変わっていて、そこにペルソナらしい要素がプラスされている。
シミュレーションRPGの戦闘は長くなりがちだが、ペルソナ5タクティカでは立ち回りによっては1ターンでクリアできたり、敵を大量に一掃出来たりとパズル的要素が強く、うまく攻略出来ると非常に面白いものになっている。

ペルソナらしい「1more」を使った連続行動

最近のペルソナシリーズには敵の属性弱点を突くと「1more」が発生してもう一度行動することが出来るが、本作にも同じように1moreがある。従来のシリーズとは違って属性弱点という概念がなく、無防備な敵を攻撃したりスキルを使ったりして敵の体勢を崩すことで発生するので属性を気にする必要はない。
敵の体勢を崩して1moreを発生→さらに移動して次の敵の体勢を崩す→さらに移動して…という感じで1ターンで同じキャラが何度も行動することができ、これによって1ターンでステージをクリアすることも可能となっている。

ちなみに、リトライや1ターン戻すなどの機能があるので「もっとうまく出来たな…」とか「思ってた戦略通りにならなかった」となってもやり直しは簡単。

きろく
きろく

行動する前に頭の中でどう動かすかを考えるのが大事で、思い通りに戦えた時は気持ちいい…!

敵を一掃する爽快感

戦闘は最大3人で出撃することができ、1more状態になったキャラと他2二人で体勢を崩した敵キャラを三角形の範囲に入れると「総攻撃」をすることが出来る。(テキストだとわかりにくいので画像を参照)
この時、体勢を崩した敵と一緒に他の敵を巻き込むことで一度に大量の敵を殲滅することも可能。

きろく
きろく

操作キャラは攻撃などのアクションをしなければ何度でも移動できるので、できるだけ大きな三角形を作ろう。

敵に合わせて戦略を練る

敵には様々な特性がある。
一度攻撃を加えないと体勢が崩れない、後ろからの銃撃にだけ体勢が崩れる…など様々な戦い方をする必要がある。
例えば一度攻撃を加えないと体勢が崩れない敵の場合は、他の無防備な敵と一緒に範囲攻撃に巻き込むことで「一度攻撃した」という条件を満たしつつ、無防備な敵の体勢を崩すことで1moreを取る→二度目の攻撃でさらに1moreを取る…などのように戦略を考える必要があり、そして面白い。

ただ、本作は敵の種類自体が少なく後半は少しマンネリ気味になるので、もう少し種類が多ければより楽しめたと思う。

キャラクターの個性を生かして効率的に敵を倒していく

強制的に1moreを取る、範囲内の敵を全部吹っ飛ばす…など、キャラごとに性能がきっちりと分けられているため攻略するステージごとに出撃させるキャラを考える楽しさがある。敵が密集していたら範囲攻撃が得意なキャラ、広いステージだと射程距離の長いキャラ…というふうに。

ただシミュレーションRPGという特性上なのか射程距離の長いキャラはかなり強く、誰を使えばいいか悩んだ時は射程距離の長いキャラだけでステージに出れば大抵なんとかなったのは良くも悪くもあると思った。

きろく
きろく

ガチガチに攻略法を固められるのは難易度高くなって辛いけど、かといって「これ使っとけばOK」みたいな性能のキャラだとせっかくの戦略性がぼやける…悩ましいところ。

サブイベントはかなりパズル要素が強め

メインストーリーを追う合間に「サブイベント」が発生する。
サブイベントではちょっとしたお題のようなミッションが設定されることが多く、たとえば「1ターンですべての敵を倒せ」や「◯◯を運べ」など、敵をただ倒すというより手順をしっかりと作り込まないとクリア出来ないようなパズル的要素がかなり強い。
メインストーリーの戦闘より難しくはあるがチュートリアル的な面も含んでいて、サブイベントで学んだパズル的発想や戦い方はメインの戦闘でも活かせるのが良い。

きろく
きろく

クリア報酬が育成に必要なもので無駄がないし、キャラクターの深掘りがされるので見ていて面白い!

登場する敵に合わせられる自由度の高い育成

リセットが出来るスキルツリーでステージに合わせてビルドをする

キャラの育成要素はレベルや装備などがあるが、プレイヤーが自由に考えてビルドできるスキルツリーが面白い。
攻撃スキルの習得に移動力アップや射程を伸ばすなど基礎能力の強化など様々なものがあり、さらにリセットが気軽にできるのでステージに合わせて都度習得のやり直しが出来る。

きろく
きろく

今回はガルダインを覚えていこう…とか、移動力を1上げていこう…とか自由にキャラクターをビルド出来るのが楽しい!

ペルソナの育成や合体は要素として弱い

ペルソナの合体はあるものの、スキルの引き継ぎは1つまで・弱点や耐性がないので本編ほどペルソナの重要度は低いく、その時その時でキャラのレベルに合わせた強さのペルソナを装備しておけば攻略に困ることはない。
強いペルソナ・弱いペルソナはあるものの結局はキャラクターのスキルで補える部分が大きいので、とりあえずなにかペルソナを装備させとけばOKみたいな感じで攻略が出来たのが少し物足りなく感じた。

新キャラのエルがそもそもペルソナを装備できないので(その分ステータスが高いが)、あまりペルソナ依存なバランスに出来なかったのかなと思う。

最後に

今回は難易度Normalでプレイしての感想だったが、難易度を上げるとペルソナの厳選やもっと色んなスキルを活用して突破する必要が出てくると思う。
サクサクとプレイしたい&爽快感が欲しいのであればNormalがおすすめ。難易度を上げるとまた違ったプレイングになると思う。
タクティクスオウガやFFタクティクスのようなTHE・SRPGのような感じと思ってプレイすると面食らうが、これはこれで新しく面白いSRPGだったので個人的には満足ではある。

わがままを言うならやはりペルソナの合体やスキル選びをもっと楽しみたかったので次回作に期待。

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